[弁護士コラム]離婚に直面した場合には?(3)
判決離婚について
調停で離婚の合意ができず,離婚の審判もなされなかった場合に, 訴訟を起こして,離婚を認める判決を受けるのが判決離婚です。
ただし,離婚を認める判決を受けるには,法律の定める離婚原因が存在することを,証拠によって証明しなければなりません。
法律の定める離婚原因には,以下のようなものがあります。
訴訟提起は,訴状を家庭裁判所に提出する方法によって行います。
訴訟を提起する裁判所は,配偶者のいずれかの住所・居所を管轄する家庭裁判所です。妻が相模原市で,夫が札幌市に住んでいる場合には,横浜家庭裁判所相模原支部と札幌家庭裁判所のいずれにも管轄があり,どちらに訴訟提起しても良いとされています。
離婚訴訟の期間は,訴え提起後,1ヶ月?2ヶ月後に最初の裁判期日があり,その後,1ヶ月?1ヶ月半に1回のペースで裁判期日が入ります。そして,1年?2年くらいで終了するケースが多いと思われます。
訴訟の終了ですが,離婚原因の存在が認められ,判決で離婚が認められる場合(離婚判決),被告が,原告の請求を全て認めた場合(認諾離婚),訴訟の最中に,裁判官の仲介のもと,話し合いで離婚をする場合(和解離婚)等があります。
もっとも,離婚原因の存在が認められず,離婚が認められない場合には,請求棄却となります。 離婚判決が下された後の手続ですが,離婚判決が下された場合は,離婚届に判決の謄本と確定証明を添付して,判決確定後10日以内に役所に提出することになります。
→ [弁護士コラム]離婚に直面した場合(4) へ続く
ただし,離婚を認める判決を受けるには,法律の定める離婚原因が存在することを,証拠によって証明しなければなりません。
法律の定める離婚原因には,以下のようなものがあります。
@配偶者に不貞な行為があったとき
自由な意思に基づいて配偶者以外の異性と性交渉を行うことです。多く見られる離婚原因のひとつです。
自由な意思に基づいて配偶者以外の異性と性交渉を行うことです。多く見られる離婚原因のひとつです。
A配偶者から悪意で遺棄されたとき
同居・協力・扶助義務を果たさない場合です。生活費を渡さない,働く力があるのに働かない等も該当すると思われます。
この点,幾つかの判例があり,浦和地方裁判所昭和60年11月29日判決では,夫が家を飛び出し,障がい者で半身不随の妻を自宅に置き去りにし,長期間全く生活費を送金しなかったというケースについて離婚を認めています。
また,浦和地方裁判所昭和60年11月29日判決では,夫が行き先も告げず,生活方針について何ら相談することもなく妻と3人の幼い子供をおいて独断で上京に踏み切ったケースについて離婚を認めました。
同居・協力・扶助義務を果たさない場合です。生活費を渡さない,働く力があるのに働かない等も該当すると思われます。
この点,幾つかの判例があり,浦和地方裁判所昭和60年11月29日判決では,夫が家を飛び出し,障がい者で半身不随の妻を自宅に置き去りにし,長期間全く生活費を送金しなかったというケースについて離婚を認めています。
また,浦和地方裁判所昭和60年11月29日判決では,夫が行き先も告げず,生活方針について何ら相談することもなく妻と3人の幼い子供をおいて独断で上京に踏み切ったケースについて離婚を認めました。
B配偶者の生死が三年以上明らかでないとき
生存の証明も死亡の証明もできない場合です。昭和30年代に戦地からの未帰還者に関する裁判例が出されているが,最近はこの離婚原因で離婚を認めた裁判例は見当たりません。
生存の証明も死亡の証明もできない場合です。昭和30年代に戦地からの未帰還者に関する裁判例が出されているが,最近はこの離婚原因で離婚を認めた裁判例は見当たりません。
C配偶者が強度の精神病にかかり,回復の見込みがないとき
精神障害の程度が婚姻の本質ともいうべき夫婦の精神的生活に対する協力義務を十分に果たし得ない程度に達している場合にのみ認められます。この精神病とは,統合失調症,早発性痴呆症,躁鬱病,偏執病,初老期精神病などの高度の精神病をいいます。アルコール中毒,神経衰弱などは含まれません。
この点,回復の見込みがないだけではなく,治療が長期間にわたっている,離婚を請求する側が,これまで誠実に療養,生活の面倒をみた,離婚後の看病,医療費等について具体的な方策がある等の要件を満たしていることが必要です。
精神障害の程度が婚姻の本質ともいうべき夫婦の精神的生活に対する協力義務を十分に果たし得ない程度に達している場合にのみ認められます。この精神病とは,統合失調症,早発性痴呆症,躁鬱病,偏執病,初老期精神病などの高度の精神病をいいます。アルコール中毒,神経衰弱などは含まれません。
この点,回復の見込みがないだけではなく,治療が長期間にわたっている,離婚を請求する側が,これまで誠実に療養,生活の面倒をみた,離婚後の看病,医療費等について具体的な方策がある等の要件を満たしていることが必要です。
Dその他に婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
婚姻関係が破綻し,回復の見込みがない場合です。抽象的な要件なので,より個別具体的な判断が必要となります。
離婚訴訟での「破綻」は,一般的な「破綻」のイメージよりはるかに厳しいことに注意が必要です。破綻を理由に離婚原因として訴訟をすることには,慎重な判断が必要となります。
婚姻関係が破綻し,回復の見込みがない場合です。抽象的な要件なので,より個別具体的な判断が必要となります。
離婚訴訟での「破綻」は,一般的な「破綻」のイメージよりはるかに厳しいことに注意が必要です。破綻を理由に離婚原因として訴訟をすることには,慎重な判断が必要となります。
訴訟提起は,訴状を家庭裁判所に提出する方法によって行います。
訴訟を提起する裁判所は,配偶者のいずれかの住所・居所を管轄する家庭裁判所です。妻が相模原市で,夫が札幌市に住んでいる場合には,横浜家庭裁判所相模原支部と札幌家庭裁判所のいずれにも管轄があり,どちらに訴訟提起しても良いとされています。
離婚訴訟の期間は,訴え提起後,1ヶ月?2ヶ月後に最初の裁判期日があり,その後,1ヶ月?1ヶ月半に1回のペースで裁判期日が入ります。そして,1年?2年くらいで終了するケースが多いと思われます。
訴訟の終了ですが,離婚原因の存在が認められ,判決で離婚が認められる場合(離婚判決),被告が,原告の請求を全て認めた場合(認諾離婚),訴訟の最中に,裁判官の仲介のもと,話し合いで離婚をする場合(和解離婚)等があります。
もっとも,離婚原因の存在が認められず,離婚が認められない場合には,請求棄却となります。 離婚判決が下された後の手続ですが,離婚判決が下された場合は,離婚届に判決の謄本と確定証明を添付して,判決確定後10日以内に役所に提出することになります。
→ [弁護士コラム]離婚に直面した場合(4) へ続く